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KNOWLEDGE
難しく感じる専門用語を、分かりやすく解説します。
CO2・メタン・一酸化二窒素など、地球温暖化の原因となる気体の総称。
主な成分は二酸化炭素(CO2)ですが、それ以外にも、農業(家畜のげっぷや水稲栽培)から排出されるメタン(CH4)や、肥料の使用・産業プロセスから出る一酸化二窒素(N2O)など、多種多様な気体が含まれます。排出量を管理・削減する際は、これら異なる性質を持つ気体を、CO2の重さに換算して「t-CO2(トンCO2当量)」として集計します。
自身の温室効果ガスの排出量を認識し、削減努力を行い、どうしても削減できない排出量を、他の場所での排出削減・吸収量(クレジット等)で、その全部又は一部を埋め合わせること。
「まず自社での排出削減に努め、どうしても避けられない排出分に対してのみオフセットを行う」という順序(ミティゲーション・ヒエラルキー)を守ることが、国際的な原則であり、信頼性を確保するための重要な考え方です。単なる「排出権の購入」ではなく、削減努力の補完として位置づけることが求められます。
省エネルギー設備の導入や森林管理の取組などによるCO2の排出削減量や吸収量を、第三者機関による検証等を経て、企業等の間で取引できるよう認証したもの。
クレジットには、企業等が法令や制度上の義務への対応に活用するものと、自主的な目標達成のために活用するものがあります。日本ではJ-クレジット、海外ではVerraやGold Standardなどの制度が広く利用されています。どちらも、削減・吸収のプロセスが適切であるという「信頼性」が価値の源泉となります。
排出量から吸収・除去量を差し引いた合計を実質ゼロにすること。
「排出量をゼロにする」のではなく、どうしても出てしまう排出量がある中で、まず排出削減を進めたうえで、残る排出量について吸収・除去などを組み合わせ、実質ゼロを目指す考え方です。現在、多くの企業が中長期的な経営目標として掲げています。
削減以外に同時に生まれる価値(水質改善、悪臭低減、生物多様性の回復など)。クレジットの付加価値になる。
例えば、森林によるCO2吸収だけでなく、その活動によって地域の生態系が豊かになったり、水源が守られたりすることを指します。カーボンクレジットに「コベネフィット」が付随していると、環境・社会的な価値(ESG価値)が高まり、評価される場合があります。
事業活動のサプライチェーン全体に伴う温室効果ガス排出量の総和(Scope1+2+3)。
自社での直接排出(Scope1)や、購入した電気の使用(Scope2)だけでなく、原材料の調達から製品の廃棄に至るまでの「サプライチェーン全体(Scope3)」の排出量を含めたものです。近年、大手企業からサプライヤーに対して、このスコープ3を含む排出量の開示が強く求められるようになっています。
温室効果ガスの削減を、コストではなく経営戦略として位置づける考え方。
脱炭素への取り組みを単なる「環境への貢献(コスト)」と捉えるのではなく、将来的な規制への対応、新たな市場の獲得、ブランド価値の向上といった「持続可能な成長のための投資(機会)」として捉える経営スタイルです。サプライチェーン全体での排出量管理が、新たなビジネス競争力を左右する時代になっています。
その取組がなければ実現しなかった削減であること。クレジットとして認められる前提条件。
「もしクレジットの収益がなくても、その事業は実施されていたのではないか?」という問いに対し、「NO」と答えられる性質のことです。追加性が担保されていない(=本来行うべき義務的な活動や、単なる経済活動の結果である)場合、そのクレジットは環境的な価値がないとみなされ、信頼性が損なわれます。
生物多様性を、現在よりもより良い状態へ回復させることを目指す考え方。
「自然をこれ以上悪化させない(ネイチャー・ネガティブを避ける)」という守りの姿勢から一歩進んで、自然資本を積極的に増やす「攻め」の姿勢への転換を意味します。カーボンクレジットのプロジェクトが、CO2吸収と同時に地域の生態系回復(生物多様性の向上)に寄与している場合、ネイチャーポジティブへの貢献として高く評価されます。
複数の事業者の取組をまとめて1つのプロジェクトとして登録する方式。小規模事業者の手続き・費用負担を軽減できる。
個々の事業者が単独でクレジットを申請・登録するには、膨大な手続きやコストがかかる場合があります。これらを「プログラム」としてひとまとめにすることで、手続きを簡素化し、より多くの事業者が効率的にクレジットを創出できるようにする仕組みです。
どの取組でどのように削減量を計算するかを定めたルール。創出する際はまず該当する方法論を探す。
クレジットの価値は「どれだけ削減したか」という数値に依存します。その数値が恣意的にならないよう、「何を、いつ、どのような計算式で測定し、報告するか」をあらかじめ定めたルールが「方法論」です。このルールに適合した活動でなければ、クレジットとして認証されません。
国ではなく民間の認証機関が基準を定め、認証するクレジット。
政府が主導する制度(J-クレジットなど)に対し、民間団体(VerraやGold Standardなど)が定める基準に基づいたクレジットです。グローバルな取引が可能なものが多く、企業の自主的なESG目標の達成や、国際的なサプライチェーンへの対応のために広く利用されています。
購入したクレジットを使用済みとして登録簿から取り消すこと。これによりオフセットが成立する。
同じクレジットが再度取引・利用されないようにするための手続きです。クレジットを「使用した」と登録(無効化)することで、そのクレジットは市場から消え、購入者の排出削減実績として初めて正当に認められます。サイト内では「無効化」という用語で統一します。
大気中のCO2を直接回収・除去し、長期間隔離・貯留する取組(Carbon Dioxide Removal)。
森林吸収などの自然ベースの手法に加え、装置を用いて大気から直接CO2を回収する技術(DACCS)や、バイオ炭の農地施用など、テクノロジーを活用した手法も含まれます。排出削減(Avoidance)のみでは不十分な温室効果ガスの「実質ゼロ(ネットゼロ)」達成に向け、東京都でも支援策(吸収・除去系クレジット創出促進事業)が実施されるなど、世界的に注目が高まっている領域です。
化石燃料中心の経済・社会・産業構造を、クリーンエネルギー中心へ転換すること。
単なる環境対策ではなく、エネルギーの供給構造や産業構造を抜本的に変えることで、経済成長と脱炭素を同時に実現しようとする取り組みです。日本政府も強力に推進しており、企業の成長戦略において欠かせない概念となっています。
GXリーグ参加企業が自ら設定した削減目標に対し、超過・余剰分を取引する日本国内の排出量取引制度。
企業間で排出枠や削減実績を売買することで、社会全体の排出削減を効率的に進める仕組みです。参加企業の自主的な目標設定に基づき運用されていますが、現在はGXリーグ参加企業を中心に運用されており、日本の排出量取引制度に関する検討とも関連する取組として注目されています。
国が認証する制度。省エネ設備の導入や森林管理による削減・吸収量をクレジットとして認証する。
日本国内における代表的なクレジット制度です。省エネや森林管理など、厳格なルールに基づいて算出された削減量を国が認証するため、国内企業間での活用や、温対法に基づく報告等、国内で幅広く活用されています。
日本の技術で相手国の削減に貢献し、削減・吸収の成果を両国で活用する制度。
日本が開発途上国に対して、低炭素技術の導入を支援し、その結果として生じた削減量を、日本と相手国の両国でクレジットとして活用する制度です。日本の技術力の海外展開と、日本の排出削減目標の達成を同時に目指す制度です。
削減量を測り、報告し、第三者が検証する一連の手続き。クレジットの信頼性を支える仕組み。
クレジットが「本当にその量だけ削減できたのか?」を証明するためのプロセスです。M(Measurement:測定)、R(Reporting:報告)、V(Verification:検証)の各ステップが厳格に行われることで、市場におけるクレジットの価値(信頼性)が担保されます。
事業者自らの直接排出だけでなく、原材料調達から製品の使用・廃棄に至るまで、事業活動のサプライチェーン全体に伴う温室効果ガス排出量を分類する考え方。
自社での燃料燃焼(Scope 1)、他社から購入した電力等の使用(Scope 2)に加えて、原材料の調達、輸送、製品の使用、廃棄といったサプライチェーン上のすべての排出(Scope 3)を分類したものです。Scope 3の管理は、サプライチェーン全体の排出量を把握し、脱炭素経営を進める上で不可欠な要素です。
温室効果ガスの量をCO2の重さに換算して表す単位。クレジットの取引単位にもなる。
メタンや一酸化二窒素など、種類によって地球温暖化に与える影響(地球温暖化係数)は異なります。これらをすべて二酸化炭素(CO2)の重さに換算して、一律の単位で計算・比較できるようにしたものが「t-CO2(トンCO2当量)」です。
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